もしもの時に備える 防災グッズの保管場所とやさしい点検方法
災害に備えて、非常持ち出し袋や自宅で使う防災グッズを用意されている方も多いことでしょう。
こうした備えは、一度準備したら終わりというものではありません。時間が経つと、中に入っている食品の賞味期限が切れてしまったり、電池が古くなったり、必要なものが足りなくなったりすることがあります。
いざという時に、せっかく用意した備えが役に立たないということにならないように、定期的に点検して、いつでも使える状態にしておくことが大切です。
この機会に、ご自宅の防災グッズについて、どこに置いているか、そして中身は大丈夫か、一緒に確認してみましょう。
防災グッズはどこに置けば良いでしょうか
非常持ち出し袋や、お家で使う備蓄品など、防災グッズにはいくつかの種類があります。それぞれどこに置くと、いざという時に役立つか考えてみましょう。
非常持ち出し袋の保管場所
地震や火事など、すぐに避難が必要な場合に持ち出す袋です。 * すぐに取り出せる場所: 玄関や寝室など、いざという時にすぐに手に取れる場所に置きましょう。押入れの奥深くや、物置の中など、出すのに時間がかかるところは避けてください。 * 安全な場所: 落ちてきたり倒れてきたりする危険がない場所に置くことも大切です。高い棚の上などは避けましょう。 * 家族と共有: もしご家族と一緒に住んでいる場合は、全員がどこにあるか知っている場所に置くと安心です。
自宅で使う備蓄品の保管場所
数日間、自宅で過ごすために必要になる水や食料、生活用品などです。 * 分散させて保管: 一か所にまとめてしまうと、その場所が被害にあった場合にすべて使えなくなる可能性があります。いくつかの場所に分けて保管するとより安心です。(例: キッチン、リビング、寝室など) * 湿気や直射日光を避ける: 食品などが傷まないように、風通しが良く、直射日光が当たらない場所に置きましょう。 * 出し入れしやすい工夫: 重たい水などは、床に近い低い場所に置くなど、ご自身の体力に合わせて出し入れしやすい工夫をすると良いでしょう。
防災グッズのやさしい点検方法
準備した防災グッズを、定期的に確認してみましょう。難しく考える必要はありません。年に一度など、ご自身で覚えやすい日を決めて行うのがおすすめです。例えば、防災の日(9月1日)やご家族の誕生日などに合わせて行うのも良いでしょう。
点検する時は、次の項目などを参考に、リストを作って一つずつ見ていくと分かりやすいです。
- 食料・飲料:
- 賞味期限: 期限が切れていないか確認します。期限が近いものは、普段の食事で使い、新しいものを補充しましょう。(「ローリングストック法」といいます)
- 変質: 袋や容器が膨らんでいないか、異臭がしないかなども確認します。
- 電池:
- 使用推奨期限: 電池にも使える期限があります。古いものは交換しましょう。
- 液漏れ: 電池から液が漏れていないか確認します。液漏れしている電池は使わないでください。
- 懐中電灯:
- 点灯確認: 電池を入れて、きちんと明かりがつくか確認します。
- ラジオ:
- 受信確認: 電池を入れて、きちんと放送が聞こえるか確認します。
- 電池残量: 予備の電池も確認しましょう。
- 薬・救急セット:
- 使用期限: 薬や消毒液などに使用期限がないか確認します。かかりつけ医に相談して予備の薬を準備している場合は、その期限も確認しましょう。
- 中身の確認: 包帯や絆創膏などが揃っているか、汚れていないかなども確認します。
- ティッシュ・ウェットティッシュ:
- 乾燥: ウェットティッシュが乾いていないか確認します。
- 衣類・毛布:
- 虫食い・カビ: 長くしまっておくと虫食いやカビが発生することがあります。一度取り出して確認しましょう。
- 貴重品(通帳、印鑑など):
- 場所の確認: 非常持ち出し袋などに入れている場合は、その場所を再確認します。コピーなどを入れている場合は、最新の情報か確認しましょう。
リストを紙に書き出して、確認するたびにチェックマークをつけるようにすると、忘れずに点検できます。
古くなったものは交換し、必要なものを補充しましょう
点検して、賞味期限が切れてしまった食品や、古くなった電池などがあれば、新しいものと交換します。
交換した食品は、普段の食事で無駄なく使い切りましょう。これが「ローリングストック法」の良いところです。
また、点検の際に「これも必要かもしれない」と思ったものがあれば、この機会に準備して備蓄品に加えておきましょう。ご自身の健康状態や、家族構成、住んでいる場所などに合わせて、備えるものも変わってきます。定期的に見直すことで、より今の状況に合った備えになります。
まとめ
防災グッズの保管場所を決めておくこと、そして定期的に点検することは、もしもの時に慌てず、落ち着いて行動するためにとても役立ちます。
難しいことや特別なことではありません。年に一度、ご自身のペースで、一つずつ確認するだけで、大きな安心につながります。
もし、まだ防災グッズを用意していないという方も、まずは非常持ち出し袋に詰めるものから始めてみましょう。小さな一歩が、もしもの時の大きな備えとなります。