ご自身の状況に合わせた避難先を考える ～自宅、親戚、地域の避難所～
もしもの災害に備えて、どこへ避難するか考えてみましょう
地震や台風、大雨など、いつ私たちの身に災害が降りかかるか予測することは難しいものです。もしもの時にあわてず、安全に避難するためには、事前に「どこへ避難するか」を考えておくことがとても大切です。
特に、ご高齢の方や体力に自信のない方にとっては、急な避難は大きな負担となる可能性があります。また、災害の種類によって、安全な避難場所は変わる場合もあります。
避難する場所には、いくつかの選択肢があります。ご自身の状況や、想定される災害の種類に合わせて、どの場所が適切か、どのように準備すれば良いのかを知っておきましょう。
避難場所の選択肢を考える
もしもの災害が起きた時、安全な避難場所として考えられる主な場所は以下の通りです。
- 自宅
- 親戚や知人のお宅
- 地域の指定避難所
それぞれの場所について、詳しく見ていきましょう。
1. 自宅が安全なら「自宅避難」という選択肢
建物に大きな被害がなく、火災などの危険がない場合、自宅で安全に過ごす「自宅避難」も一つの選択肢です。住み慣れた場所なので、心身への負担が少なく済むという利点があります。
ただし、自宅で過ごすためには、電気、ガス、水道などのライフラインが止まってしまっても、数日間生活できるだけの準備が必要です。水や食料の備蓄、簡易トイレ、懐中電灯やラジオ、そして何よりも、ご自宅自体が地震などで倒壊・損壊する危険性が低いかどうかの確認が重要です。
すでに当サイトの別の記事で、自宅避難のための具体的な備えについてご紹介しておりますので、そちらもあわせてご参照ください。（※関連する別の記事への内部リンクをここに記載することを想定）
2. 親戚や知人のお宅へ避難する「縁故避難」
ご自宅での避難が難しい場合や、地域の避難所に抵抗がある場合、安全な場所にある親戚や知人のお宅へ避難することも考えられます。これを「縁故避難（えんこひなん）」と呼びます。
普段から交流のある関係であれば、比較的安心して過ごせるかもしれません。しかし、受け入れてくださる側にも準備や負担がかかります。
事前に、もしもの時にはお世話になっても良いか、具体的な経路は安全か、お互いにどのような備えが必要かなどを話し合っておくことが非常に大切です。災害が起きてから突然連絡しても、相手の方も被災していたり、受け入れが難しかったりする場合もあります。
3. 地域で決められている「指定避難所」へ避難する
お住まいの地域では、災害が発生し、自宅での生活が危険になった場合に備えて、安全な場所に「指定避難所」が決められています。多くは地域の小中学校の体育館や公民館などです。
指定避難所は、命を守るための場所であり、多くの人が集まるためプライバシーの確保や感染症対策などが課題になることもあります。しかし、行政からの情報提供や支援物資の配布などが行われる中心的な場所でもあります。
指定避難所へ避難する場合は、非常持ち出し袋を準備しておくことが基本です。また、避難所での集団生活に備えて、マスクや消毒液、常備薬、そして周りの方への配慮も忘れないようにしましょう。ご自身の健康状態や体力に不安がある場合は、事前に地域の社会福祉協議会などに相談しておくと良い場合もあります。
ご自身の地域の指定避難所がどこにあるか、自宅からどう行けば良いかは、市区町村から配布される防災マップ（ハザードマップ）や広報誌で確認できます。
災害の種類によって、安全な避難場所は変わります
避難場所を考える上で特に重要なのは、どんな種類の災害が起きる可能性があるかということです。
- 地震: 建物の倒壊や火災が主な危険です。自宅が耐震基準を満たしているか、家具の固定はできているかなどが重要になります。自宅が危険な場合は、指定避難所や安全な場所にある親戚宅などへ避難します。
- 台風や大雨（水害）: 川の氾濫や土砂崩れ、浸水などが主な危険です。ご自宅がこれらの危険区域にあるかどうかは、市区町村のハザードマップで確認できます。水害の場合、建物の1階は危険でも2階以上は安全な「垂直避難」が可能な場合や、近くの頑丈な建物の高い階に避難する「緊急安全確保」という考え方もあります。ハザードマップで危険区域を確認し、浸水や土砂崩れの恐れがある場合は、早めに安全な場所（指定避難所や親戚宅など、浸水しない高台など）へ避難することが大切です。
ハザードマップの見方についても、当サイトの別の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひご確認ください。（※関連する別の記事への内部リンクをここに記載することを想定）
ご自身に合った避難先を、事前に決めておきましょう
どこへ避難するかを事前に考えておくことは、もしもの時に迷わず行動するための大切な第一歩です。
- まず、ご自宅がどのような災害に対して安全かを確認しましょう。
- 次に、ご自身の体力や健康状態、ご家族（遠方の場合も含む）との連絡方法などを考慮して、どの避難方法が最も適しているかを考えます。
- 親戚や知人宅への避難を考える場合は、早めに相談しておきましょう。
- 指定避難所への避難も選択肢に入れる場合は、場所を確認し、必要な持ち出し品を準備しておきます。
これらの避難先について、ご家族ともよく話し合っておくことをお勧めします。遠方に住むお子さんやお孫さんと、もしもの時どこで落ち合うか、どのように連絡を取り合うかなどを事前に決めておくと、お互いに安心できます。
まとめ：事前の準備が、もしもの時の安心につながります
災害がいつ起きてもおかしくない現代、事前に避難先について考え、準備しておくことは、ご自身や大切な家族の命を守るために非常に重要です。
自宅での備え、親戚との連絡、地域の避難所の確認など、できることから少しずつ進めてみましょう。この備えが、もしもの時のあなたの安心につながります。