もし大きな揺れを感じたら。高齢者のための『あわてない』初期行動
もし大きな揺れを感じたら。高齢者のための『あわてない』初期行動
突然の地震は、誰にとっても不安なものです。特にご高齢の方にとっては、体の自由が利きにくかったり、判断に迷ってしまったりすることがあるかもしれません。しかし、大きな揺れを感じた直後の数秒から数十秒の行動が、ご自身の安全を守るためにとても大切になります。
この記事では、もしもの時にあわてず、落ち着いて身を守るための最初の行動について、分かりやすくお伝えします。
揺れを感じたら、まず「身を守る」
地震の揺れを感じたら、まずはご自身の安全を確保することが最優先です。あわてて外に飛び出すのではなく、その場で落ち着いて次の行動をとりましょう。
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頭を守る: 頭は非常に大切です。落下物から頭を守るために、クッションや座布団、カバンなどで頭を覆いましょう。近くに何もなければ、両手で頭を抱えるようにしてください。
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姿勢を低くする: 倒れてくる家具などから身を守るため、できるだけ姿勢を低くします。しゃがみ込むのが難しければ、イスに座ったままでも、テーブルの下など安全な場所に移動し、頭を守りましょう。
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安全な場所に移動する:
- テーブルや机の下へ: 丈夫なテーブルや机の下は比較的安全です。体を小さくして入り込みましょう。
- 窓ガラスや家具から離れる: 窓ガラスは割れて飛び散る危険があります。また、タンスや食器棚などの大きな家具が倒れてくることも考えられます。これらから離れてください。
- 揺れが収まるまで動かない: 大きな揺れが続いている間は、無理に移動しようとすると転倒したり、落下物に当たったりする危険が高まります。揺れが収まるまで、安全な場所でじっとしていましょう。
揺れが収まったら、落ち着いて行動する
大きな揺れが収まったら、今度は周囲の状況を確認し、安全に次の行動に移りましょう。
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ご自身の怪我を確認する: まずは、ご自身に怪我がないか確認してください。落ち着いて、体に痛みがないか、出血していないかなど見てみましょう。
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火の元を確認する(ガス、電気): 地震の際には、ガス漏れや電気のショートによる火事が起こる可能性があります。
- ガスコンロやストーブなど: 火を使っていた場合は、落ち着いて火を消しましょう。最近のガスコンロには安全装置が付いていますが、念のため確認します。ガス臭い場合は、窓を開けて換気し、ガス元栓を閉めてください。
- 電気: 揺れが大きいと、安全のために自動的に電気が止まるブレーカーもあります。もし電気がついている場合でも、揺れで配線が傷ついていることもあります。不安な場合は、家全体のブレーカーを落としておくと安心です。電気の確認やブレーカー操作は、転倒しないように注意しながら行ってください。
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扉や窓を開けて、逃げ道を確保する: 地震によって家のゆがみが生じ、扉や窓が開かなくなってしまうことがあります。揺れが収まったら、まずは開けられそうな扉や窓を一つか二つ開けて、もしもの時の逃げ道を確保しておきましょう。
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家族の安否を確認する: もしご家族が一緒にいる場合は、お互いに声をかけあって無事を確認しましょう。離れているご家族への連絡方法は、以前の記事でもご紹介しましたように、事前に決めておくことが大切です。
あわてないための心構えと事前の準備
地震は突然起こりますが、少しの心構えと準備で、あわてずに行動することができます。
- 日頃から安全な場所を考えておく: 「もし揺れを感じたら、このテーブルの下にもぐりこもう」「あの棚からは離れよう」など、普段から家のどこが安全か、どこが危険かを見ておきましょう。
- 枕元にスリッパなどを置いておく: 地震で部屋の中に物が散乱したり、ガラスが割れたりすることがあります。夜中に地震が起きた場合に備え、ベッドの近くなどにスリッパや靴を置いておくと、安全に歩くことができます。
- 避難経路を確認しておく: 万が一、外に避難する必要が出た場合に備え、家の中から外に出るまでの道筋を頭に入れておきましょう。物が道を塞いでいないか、時々確認することも大切です。
まとめ
大きな地震の揺れは怖いものですが、「まずは頭を守る」「姿勢を低くする」「揺れが収まるまで動かない」といった最初の行動を知っているだけで、落ち着いて身を守ることができます。揺れが収まったら、ご自身の安全確認、火の元確認、そして避難経路の確保と、落ち着いて次の行動に進みましょう。
これらの『あわてない』ための初期行動と、日頃からのちょっとした準備が、もしもの時にご自身とご家族を守ることに繋がります。この記事が、皆様の備えの一助となれば幸いです。