もしもの時、知らない人が突然訪ねてきたら ~自宅でできる簡単な防犯の備え~
自宅で過ごしている時に、知らない人が突然訪ねてくると、誰でも不安を感じるものです。特に、高齢になり体力に自信がない方や、ご家族が近くにいない方にとっては、どのように対応したら良いのか迷ってしまうかもしれません。
ですが、いくつかの簡単なポイントを知っておくだけで、落ち着いて対応することができます。今回は、不審な訪問者からご自身とご自宅を守るための、誰でもできる簡単な備えについてご紹介します。
まずはドアを開ける前に確認を
知らない人が訪ねてきても、慌ててドアを開ける必要はありません。まずは、インターホンやドアスコープ(のぞき穴)を使って、相手の顔や様子を確認しましょう。
最近のインターホンには、カメラが付いているものも増えています。カメラ付きインターホンであれば、ドアを開けずに相手の顔を見ることができます。古いインターホンでも、応答する前にドアスコープで確認する習慣をつけましょう。
もし、インターホンに出るのが怖いと感じる場合は、無理に出る必要はありません。応答しないことで、相手があきらめて立ち去ることもあります。
ドア越しでの対応の基本
訪問者が誰か確認できたら、必要な場合のみ対応します。その際も、ドアを完全に開けてしまうのは避けるのが安心です。ドアチェーンやドアガードをかけたまま対応しましょう。
対応する際は、はっきりとした口調で用件を聞きます。「どちら様ですか」「どのようなご用件でしょうか」と尋ねてみてください。
相手が名乗らなかったり、用件がはっきりしなかったりする場合は、注意が必要です。宅配便や郵便の場合でも、心当たりがない場合は一旦保留にするなどの慎重さが必要になることもあります。
上手な断り方の例
必要のない訪問販売や勧誘だった場合は、はっきりと断ることが大切です。曖昧な態度をとると、相手にしつこく迫られることがあります。
例えば、次のような言葉で断ってみましょう。
- 「必要ありませんので。」
- 「結構です。」
- 「今忙しいので。」
- 「後日改めてお願いします。」
ドアを開けずに、ドアチェーンをかけたまま伝えるだけで十分です。「帰ってください」と伝えることも有効です。
もし、相手がすぐに立ち去らず、強引に話を進めようとする場合は、「警察を呼びます」と伝えることも効果的です。実際に警察への通報をためらわないでください。
迷ったり不安に感じたら、すぐに相談を
一人で対応するのが難しいと感じたり、相手の言動に少しでも不安を感じたりした場合は、すぐに誰かに相談することが重要です。
- 離れて住む家族や親戚に電話する。
- 信頼できる友人や知人に連絡する。
- 地域の交番や警察署に電話する。
電話をかけるふりをするだけでも、相手が警戒して立ち去ることがあります。「今、息子(娘)に代わります」「警察に電話します」などと伝えながら、実際に電話を手に取るのも良い方法です。
事前にできる簡単な防犯の備え
不審な訪問者を防ぐために、ご自宅で簡単にできる備えをいくつかご紹介します。
- 補助錠をつける: 玄関ドアにもう一つ鍵を取り付けることで、侵入に時間がかかるため泥棒や不審者が諦めやすくなります。工事不要で簡単に取り付けられるタイプもあります。
- 防犯グッズを活用する: 窓に貼る防犯フィルムや、砂利を敷いて足音が鳴るようにするなど、簡単にできる対策があります。
- ポストの名前表示を工夫する: 一人暮らしの場合、名前だけで性別や年齢を推測されないよう、名字のみにしたり、表札を出さないという選択肢もあります。(ただし、郵便物受け取りに影響がないか確認が必要です)
- 地域の見守り活動に参加する: 地域によっては、高齢者宅の見守りや防犯パトロールが行われています。地域の活動に参加したり、自治体に相談したりするのも良いでしょう。
- ご家族と事前に話し合っておく: 離れて暮らす家族と、「知らない人が来たらドアを開けない」「すぐに電話する」といったルールを決めておくことも大切です。
まとめ
自宅に知らない人が訪ねてきても、慌てず、まずは相手を確認し、ドアを開けずに対応することが第一歩です。必要のない相手には、曖昧にせずはっきりと断りましょう。
少しでも不安を感じたら、ためらわずにご家族や警察に相談してください。そして、ご紹介した簡単な防犯の備えをできる範囲で取り入れてみましょう。
これらの備えは、難しいことではありません。一つずつ実行することで、安心して自宅で過ごすことに繋がります。ご自身と大切なご自宅を守るために、今日からできることから始めてみませんか。