自宅で過ごす感染症療養 高齢者のための準備と安心のヒント
自宅で安心して過ごすために
近年、様々な感染症が流行しています。もしもご自身が感染症にかかってしまい、自宅で療養することになった場合、あらかじめ準備をしておくことで、心穏やかに過ごすことができます。特に、高齢の方は体力的な不安を感じることもあるかもしれません。
このページでは、自宅での感染症療養に備えて、どのようなものを用意しておけばよいか、また療養中を少しでも楽に、安心して過ごすためのヒントをご紹介します。大切なご家族やご自身の健康を守るためにも、一緒に備えについて考えてみましょう。
なぜ自宅療養の備えが必要なのでしょうか
ご自宅で療養することになった時、すぐに必要なものが手に入るとは限りません。また、体調がすぐれない中で買い物に出かけたり、身の回りの世話をしたりすることは難しい場合があります。
あらかじめ準備をしておけば、体調が悪くなってから慌てずに済みます。また、遠方に住むご家族に心配をかけすぎることなく、ご自身のペースで療養に専念できます。
感染症に備える準備リスト
自宅での療養期間は、数日から一週間以上になることもあります。その間、ご自宅から出ずに済むように、必要なものをリストアップして準備しておきましょう。
食料品と飲み物
- すぐに食べられるもの: おかゆ、うどん、ゼリー飲料、レトルト食品など、火を使わずに簡単に準備できるものや、食欲がない時でも食べやすいものを用意しておくと安心です。
- 水分: 水、お茶、経口補水液など。発熱などで汗をかくと水分が失われやすいため、多めに準備しましょう。
- 非常食: 万が一、療養期間が長引いたり、他の災害と重なったりした場合に備え、少し日持ちのする食品も用意しておくと良いでしょう。
日用品
- トイレットペーパー、ティッシュペーパー: 普段より少し多めに用意しておくと安心です。
- 洗剤、石鹸: 手洗いや洗濯、食器洗いなどに必要です。
- ゴミ袋: 使ったティッシュやマスクなどを捨てるために、多めに用意しておきましょう。できれば、口をしっかり閉じられるものが良いでしょう。
- 体温計: ご自身の体調を把握するために必要です。
- マスク: ご家族など、同居している方がいる場合に必要になります。
医薬品と衛生用品
- 常備薬: 普段飲んでいる薬は、切らさないように多めに処方してもらうなど、準備しておきましょう。かかりつけ医に相談してみることをお勧めします。
- 風邪薬や解熱剤: 症状が出た時に備えて、かかりつけ医や薬剤師に相談の上、準備しておくと良いでしょう。
- 消毒液: ドアノブなど、よく触る場所を消毒する際に使用します。
- ウェットティッシュ: 手軽に拭き掃除や手指の清掃に使えます。
その他
- 体調記録ノートと筆記用具: 毎日の体温や体調の変化を記録しておくと、医療機関に相談する際に役立ちます。
- スマートフォンや携帯電話、充電器: 家族や医療機関との連絡に必須です。充電器の場所を確認しておきましょう。
- 緊急連絡先リスト: かかりつけ医、地域の相談窓口、ご家族、友人など、緊急時に連絡が必要な人のリストを手元に置いておきましょう。
- 保険証、お薬手帳: すぐに取り出せる場所にまとめておきましょう。
療養中の安心できる過ごし方
備品を用意するだけでなく、療養中の過ごし方も大切です。体調に合わせて、無理のない範囲で心地よく過ごせるよう工夫しましょう。
体調管理をしっかり行う
- 休息: 十分な睡眠をとり、体を休ませることが回復には一番大切です。
- 体温測定: 毎日決まった時間に体温を測り、記録しましょう。
- 水分補給: のどが渇いていなくても、こまめに水分をとりましょう。
部屋を快適に保つ
- 換気: 定期的に窓を開けて空気を入れ替えましょう。難しい場合は、換気扇を回すことでも効果があります。
- 湿度: 乾燥しているとのどや鼻の粘膜に負担がかかります。加湿器を使ったり、濡らしたタオルを干したりして、湿度を適切に保ちましょう。
食事について
- 食欲がない時は、無理にたくさん食べる必要はありません。ゼリー飲料やスープなど、水分や栄養を同時にとれるものがお勧めです。
- 消化の良いものを選び、よく噛んでゆっくり食べましょう。
家族や友人との連絡
- 離れて暮らす家族や友人とは、電話やメッセージでこまめに連絡を取り合いましょう。声を聞くだけでも安心できます。
- 体調の変化があれば、ためらわずに伝えましょう。
心穏やかに過ごす工夫
- 体力が許せば、座ってテレビを見たり、ラジオを聴いたりして気分転換をしましょう。
- 簡単な体操やストレッチは、血行を良くし体の回復を助けますが、無理は禁物です。
- 心配なことや不安なことがあれば、一人で抱え込まず、家族や相談窓口に連絡してみましょう。
事前に確認しておきたいこと
- 誰に助けを求められるか: もしもの時、代わりに買い物をお願いしたり、様子を見に来てもらったりできる家族や友人が近くにいるか、事前に話しておくと安心です。地域の支援サービスについても調べておきましょう。
- かかりつけ医への連絡: 持病がある場合や、体調が悪化した場合の連絡方法などを、かかりつけ医にあらかじめ確認しておくと良いでしょう。
- ゴミの出し方: 感染性のあるゴミの出し方について、お住まいの自治体のルールを確認しておきましょう。
まとめ
自宅での感染症療養に備えることは、ご自身の安心に繋がり、ご家族の負担を減らすことにも繋がります。完璧な準備を目指す必要はありません。まずはリストの中からできることから少しずつ始めてみましょう。
体調が優れない時は、何よりも休息が大切です。備えた品々を活用しながら、無理せずご自身の回復に専念してください。そして、困った時は一人で抱え込まず、周りの人に頼ることも大切な備えの一つです。
この記事が、皆様の安心な備えの一助となれば幸いです。