家具の転倒を防ぐ 簡単な地震対策をご紹介
もしもの地震に備える 自宅でできる安心対策
私たちは普段の生活の中で、いつ起きるか分からない地震への不安を漠然と抱えているかもしれません。特に、体力の低下を感じるようになったり、ご家族が遠方に住んでいたりすると、もしもの時に自分一人でどう備えれば良いのか、心配になることもあるのではないでしょうか。
避難所へすぐに移動することが難しい場合でも、自宅で安全に過ごすための備えは大切です。その中でも、比較的簡単に行えて、地震発生時の危険を大きく減らすことができるのが、「家具の転倒防止対策」です。
家具が倒れると、怪我をしてしまう危険があるだけでなく、避難するための通り道が塞がれてしまう可能性もあります。しかし、専門的な知識や大きな体力は必要ありません。ここでは、ご自宅で簡単にできる家具転倒防止の対策をご紹介いたします。
なぜ家具の転倒防止が重要なのでしょうか
地震による怪我の原因で多いものの一つに、倒れてきた家具や落ちてきた物によるものがあります。大きな家具が倒れてくると、その下敷きになってしまう危険がありますし、食器棚から物が落ちてきて破片が飛び散ることも考えられます。
また、玄関や廊下、寝室などに置かれた家具が倒れると、逃げ道を塞いでしまい、外へ避難することが難しくなることもあります。
家具の転倒防止は、ご自身や大切な方が怪我をするリスクを減らし、もしもの時に安全に避難できる空間を確保するために、とても重要な備えなのです。
体力に自信がなくてもできる簡単な対策方法
家具の転倒防止には、いくつかの方法があります。大きな工事などは必要なく、市販されている対策グッズを使って、比較的簡単に行うことができます。
1. 突っ張り棒を使う
タンスや本棚のような高さのある家具と天井の間に入れて突っ張らせることで、家具を固定する方法です。ホームセンターやインターネット通販で手軽に購入できます。
- 選び方のポイント: 家具の高さと天井の高さに合ったものを選びましょう。天井や家具に傷がつかないよう、間に板などを挟むと安心です。
- 取り付けのポイント: 家具の幅に合わせて2本以上使うと、より安定します。しっかりと突っ張らせることが大切です。
2. L字金具を使う
家具と壁を固定する方法です。家具の裏側や側面、あるいは上部と壁を、L字型の金具とネジでしっかりと固定します。
- 選び方のポイント: 家具の重さや大きさに合った強度のある金具を選びましょう。壁の材質によって使うネジの種類が異なりますので、分からない場合はお店の人に尋ねるか、専門の方に相談すると良いでしょう。
- 取り付けのポイント: 取り付ける壁が石膏ボードの場合は、壁の中にある柱の位置を探してネジを打つ必要があります。専門業者に依頼することも可能です。体力に自信がない場合は、この方法よりも突っ張り棒や粘着マットの方が取り組みやすいかもしれません。
3. 粘着マット・シートを使う
棚やタンスの下に敷いて、家具を床に固定する方法です。ジェル状やゴム状のマット、あるいは粘着力のあるシートを家具の底面に貼り付け、床に密着させます。
- 選び方のポイント: 家具の大きさと重さに耐えられるものを選びましょう。製品によって耐荷重が記載されています。
- 取り付けのポイント: 床や家具の底面の埃や汚れをしっかり拭き取ってから貼り付けましょう。一度貼ると剥がしにくいものもありますので、位置を確かめてから貼り付けてください。設置は家具を持ち上げる必要がありますが、少しだけ持ち上げてマットを差し込む方法なら、それほど力は要らないかもしれません。
4. ストッパー式器具を使う
家具の前方底部に差し込んで、家具が前に倒れてくるのを防ぐ器具です。家具の後方を少し持ち上げて差し込む必要がありますが、比較的簡単に設置できます。
- 選び方のポイント: 家具の形状や床の材質に合ったものを選びましょう。
対策をする際のポイント
- 効果的な場所: 寝室や、長く過ごすリビング、そして玄関など避難経路になる場所にある家具を優先的に対策しましょう。
- 定期的な確認: 取り付けた突っ張り棒や金具、粘着マットなどが緩んでいないか、定期的に確認することが大切です。
- 家具の配置: 背の高い家具は、できるだけ壁に寄せて設置し、窓の近くには置かないようにしましょう。
- 高い場所のもの: 食器棚の高い場所には、割れ物や重いものを置かないようにしましょう。
小さな一歩が大きな安心に繋がります
家具の転倒防止対策は、一見すると大変そうに思えるかもしれませんが、ご紹介したように、市販のグッズを使ってご自身のペースで取り組むことができます。まずは、ご自宅の中で特に気になる家具から、一つずつ対策を始めてみてはいかがでしょうか。
小さな一歩でも、もしもの時の安心に繋がります。ご自身の安全のため、そして大切な方を守るためにも、ぜひ今日からできる備えを始めてみましょう。もし分からないことがあれば、地域の相談窓口や詳しい方に尋ねてみるのも良いでしょう。
この情報が、あなたの備えの助けとなれば幸いです。