高齢者のための停電対策 家でできること、必要なもの
もしもの停電に備えましょう
電気は私たちの生活に欠かせないものですが、地震や台風などの自然災害、あるいは予期せぬ事故で突然止まってしまうことがあります。特に高齢の方にとっては、夜間の暗さや暖房・冷房が使えないこと、連絡手段の確保など、停電は大きな不安につながるかもしれません。
しかし、少しの準備をしておくだけで、停電時も落ち着いて過ごすことができます。「わたしの備えブック」では、高齢者の皆様がご自宅で安心して過ごせるための停電対策をご紹介します。一つずつ確認して、できることから始めてみましょう。
家でできること:停電に備える行動
1. 必要なものを準備し、場所を決めておく
停電が起きてから「あれはどこにしまったかしら」と探すのは大変です。停電時に使うものは、すぐに手に取れる場所にまとめて置いておきましょう。例えば、枕元やリビングの分かりやすい場所などが良いでしょう。
2. モバイルバッテリーを常に充電しておく
スマートフォンは、連絡手段としてだけでなく、情報収集や明かりとしても役立ちます。停電時には充電ができなくなるため、モバイルバッテリーがあると安心です。使わない時も常に充電を満タンにしておく習慣をつけましょう。
3. 家族やご近所との連絡方法を決めておく
停電時には固定電話が使えなくなることがあります。携帯電話やスマートフォンの充電が切れた場合も想定し、家族や離れて暮らす親戚と、どのような手段で連絡を取り合うか事前に話し合っておきましょう。また、ご近所の方との助け合いについても話し合っておくと心強いです。
4. ブレーカーの場所を確認しておく
停電の原因が自宅のブレーカーにある場合、ご自身で復旧できることがあります。ご自宅のブレーカーがどこにあるか、どのスイッチが何に対応しているかを確認しておきましょう。無理のない範囲で、安全な操作方法についても知っておくと良いでしょう。
停電時に必要になるものリスト
いざという時のために、以下のものを準備しておくと安心です。無理のない範囲で揃えてみましょう。
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明かりの確保
- 懐中電灯と予備電池: 一人につき一つあると安心です。手回し式やソーラー充電式のものなら電池切れの心配がありません。
- LEDランタン: お部屋全体を明るく照らすのに役立ちます。
- ヘッドライト: 両手が使えるので、安全に移動したり作業したりするのに便利です。
- 注意: ロウソクは火災の危険があるため、使用には十分注意が必要です。できればLED式の明かりをおすすめします。
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情報収集と連絡手段
- モバイルバッテリー: スマートフォンの充電に使います。容量が大きいものを選ぶと良いでしょう。
- 電池式または手回し式ラジオ: テレビが見られなくても、ラジオで災害情報や生活情報を得ることができます。
- 自動車の充電器: お車をお持ちの方は、車内でスマートフォンの充電ができるアダプターがあると役立ちます。
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寒さ・暑さ対策
- 毛布や暖かい衣服: 冬場の停電に備え、重ね着できる暖かい服や毛布を用意しておきます。
- 使い捨てカイロ: 身体を温めるのに便利です。
- 扇子やうちわ、保冷剤: 夏場の停電でエアコンが使えない場合に役立ちます。
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食料と水
- 加熱不要な食品: 缶詰、レトルト食品、ビスケット、栄養補助食品など、そのまま食べられるものを数日分用意しておきます。
- 常温で保存できる飲料水: 1人1日3リットルを目安に、数日分用意しておきましょう。
- 注意: 冷蔵庫の食品は停電が長引くと傷んでしまう可能性があります。保冷剤を活用したり、早めに食べたりする工夫が必要です。
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生活用品
- トイレットペーパー、ティッシュペーパー
- ウェットティッシュ、除菌シート: 水が使えない時に役立ちます。
- ポリ袋: ゴミ袋だけでなく、簡易トイレなど様々な用途に使えます。
- 簡易トイレ: 断水も同時に起こる可能性を考えると、用意しておくと安心です。
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その他
- 常備薬、お薬手帳
- メガネ、補聴器の予備電池
- 入れ歯用品、お口のケア用品
- 現金の用意: 自動販売機やATMが使えなくなる場合があります。
- ホイッスル: 助けを呼ぶ際に役立ちます。
慌てずに落ち着いて行動するために
停電が起きたら、まずは慌てずに落ち着くことが大切です。すぐに明かりを確保し、ラジオなどで情報を集めましょう。もし体調に不安がある場合は、無理せず家族やご近所に連絡を取ることも考えてください。
ここでご紹介した準備は、すべてを一度に揃える必要はありません。まずは懐中電灯とラジオ、スマートフォンの充電手段など、最低限必要なものから準備を始めてみてはいかがでしょうか。一つずつ備えを進めることが、もしもの時の安心につながります。