ご家族や友人になりすます詐欺に注意 電話やメッセージで『怪しい』と感じたら
電話やメッセージで『ご家族になりすます詐欺』に注意 知っておきたい対策
いつも利用している電話やメッセージアプリに、大切なご家族や友人から連絡が来たら、安心してしまいますよね。
しかし、最近では、その安心する気持ちにつけこんで、ご家族や友人になりすまして、お金などをだまし取ろうとする詐欺が増えています。
この記事では、電話やメッセージで身近な人になりすます詐欺の手口と、「もしかして怪しいかな?」と感じたときに確認するポイント、そして大切なご自身とご家族を守るための対策について、分かりやすくお伝えします。
正しい知識を持っていれば、慌てずに対応することができます。ぜひ、ご一緒に確認してみましょう。
どんな手口があるのでしょうか
ご家族や友人になりすます詐欺には、いくつかの手口があります。代表的なものをご紹介します。
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電話でのなりすまし かつて「オレオレ詐欺」と呼ばれたものもこの一種です。息子さんや孫さん、親戚などを名乗り、「電話番号が変わった」「携帯をなくした」「会社の書類をなくしてしまった」「事故を起こした」などと言って、今すぐお金が必要だと助けを求めてきます。声が違うことを指摘すると、「風邪をひいて声がおかしい」「けがをした」などと言い訳をすることが多いようです。
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メッセージアプリでのなりすまし スマートフォンで使う「LINE(ライン)」などのメッセージアプリで、ご家族や友人になりすます手口です。 これは、本人のアカウントが乗っ取られてしまったり、本人のふりをした偽のアカウントから連絡が来たりするものです。「携帯が壊れて電話できなくなった」「電話番号が変わった」「コンビニで売っている電子マネー(インターネット上で使えるお金の代わりになるもの)を買って、写真に撮って送ってほしい」などといったメッセージを送ってきます。
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SMSでのなりすまし スマートフォンの「SMS(ショートメッセージサービス)」、電話番号だけで短いメッセージをやり取りできる機能を使った手口です。ご家族や友人からのメッセージのように装って、「新しい電話番号です」とメッセージアプリでの連絡を促したり、危険なインターネットのページに繋がるリンク(文字が青くなっている部分)をクリックさせようとしたりします。
これらの手口に共通しているのは、「今すぐ必要」「誰にも言わないで」などと、受け取った人を慌てさせ、誰かに相談する時間を与えずにすぐにお金などを要求してくる点です。
『怪しいな』と感じた時の確認ポイント
もし、電話やメッセージを受け取って、「もしかして、いつもと様子が違うかな?」「少しおかしいな?」と感じたら、いくつかの点を確認してみましょう。
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声やメッセージの様子がいつもと違う
- 電話の声のトーン、話し方が普段のご家族や友人と違うように感じませんか。
- メッセージの言葉遣いや、絵文字の使い方が、いつもと違うように感じませんか。
- 急に丁寧すぎる言葉遣いや、逆に普段使わないような乱暴な言葉遣いになっているかもしれません。
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個人的な情報を聞いてみる
- ご家族や友人にしか分からないはずの、共通の思い出や、ペットの名前、誕生日など、個人的な情報を質問してみましょう。詐欺師は答えられないか、ごまかすことが多いです。ただし、最近ではSNSなどで情報を集めて答える場合もありますので、これだけで安心はできません。
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いつもと違う連絡手段で連絡が来た
- いつもは電話なのにメッセージだけが来た、急に知らない電話番号から電話がかかってきた、という場合は注意が必要です。
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急にお金の話が出た
- ご家族や友人が本当にお金に困っている可能性もありますが、「今すぐ必要」「誰にも言わないで」「立て替えてほしい」といった言葉が出たら、特に慎重になりましょう。
【最も大切な確認方法】一度電話やメッセージを切って、ご本人にいつもの連絡先へかけ直す
これが一番確実な方法です。 慌てずに「一度切って、こちらからかけ直します」と伝え、知っているご家族や友人の電話番号(携帯電話や自宅の電話)、または別の連絡手段(他の家族に確認してもらうなど)で、本当に本人からの連絡なのかを確認してください。 詐欺師は、この「かけ直し」をされるのを最も嫌がります。「電話が壊れているからかけ直せない」「仕事中で」などと理由をつけて、かけ直しをさせないようにすることが多いですが、そこで応じてはいけません。
だまされないための具体的な対策
ご自身や大切な人を守るために、普段からできる対策があります。
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ご家族や友人と普段から話し合っておく 「最近、なりすまし詐欺が多いみたいね。もし変な連絡があったら、必ずいつもの電話番号にかけ直して確認しようね」などと、普段から話し合っておくことが大切です。もしもの時のために、合言葉を決めておくのも良い方法です。
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知らない番号からの電話やメッセージには慎重に対応する 知らない電話番号からの着信にはすぐに出ない、知らない電話番号や心当たりのない番号からのメッセージには安易に返信しない、という習慣をつけましょう。
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電話やメッセージだけで安易にお金の話に乗らない 電話やメッセージで「お金が必要」「立て替えてほしい」と言われたら、必ず本人と直接会って話すか、知っている連絡先で再度確認することを徹底しましょう。
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メッセージアプリで、知らない人からの友達申請やメッセージは無視する メッセージアプリでは、知らない人からの友達申請やメッセージが届くことがあります。心当たりがない場合は、安易に受け入れたり、返信したりしないようにしましょう。
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迷惑電話防止機能付き電話機の利用や、留守番電話の活用 お使いの電話機に迷惑電話防止機能があれば活用したり、留守番電話に設定しておき、相手を確認してからかけ直したりするのも有効です。
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一人で判断せず、誰かに相談する もし「これは怪しいかもしれない」と感じたり、不安になったりしたら、一人で抱え込まず、信頼できるご家族、友人、地域の包括支援センターなどに相談しましょう。どうすれば良いか分からなくなったら、警察の相談専用電話「#9110(シャープきゅういちいちまる)」に相談することもできます。
まとめ
電話やメッセージで大切なご家族や友人になりすます詐欺は、私たちの安心する気持ちを利用する悪質な手口です。
もし、ご家族や友人から電話やメッセージが来て、「いつもと違うな」「少しおかしいな」と感じたら、慌てずに立ち止まってください。
最も大切なのは、一度電話やメッセージを切って、ご本人にいつもの連絡先へかけ直して確認することです。そして、一人で抱え込まず、誰かに相談することです。
正しい知識と少しの注意で、このような詐欺から大切なご自身とご家族を守ることができます。
「わたしの備えブック」では、この他にも様々な備えに関する記事を掲載しています。ぜひ他の記事も参考に、ご自身のペースで備えを進めていきましょう。