もしもの時、スマホが使えなくても大丈夫 高齢者のための連絡手段の備え
わたしの備えブックでは、自然災害やデジタル脅威からご家族を守るための情報をお届けしています。
最近は多くの方がスマートフォン(スマホ)をお使いになり、ご家族やご友人との連絡、情報の収集など、大変便利になりました。しかし、大きな災害が起きた時や、予期せぬ停電、あるいはスマホの故障などにより、急に使えなくなってしまう可能性も考えられます。
もしもの時、スマホが使えないと、大切な方との連絡や安否確認ができなくなってしまうのではないか、とご不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
このページでは、もしスマホが使えなくなった場合でも、落ち着いて連絡を取るために知っておきたい方法と、今からできる簡単な備えについてご紹介します。
なぜスマホが使えなくなることがあるのでしょうか
スマホは大変便利な機器ですが、電波が不安定になったり、充電ができなくなったりすると使えなくなってしまいます。
- 災害による影響: 地震や台風、大雨などで通信設備が壊れたり、停電が発生したりすると、電波が届きにくくなったり、充電ができなくなったりします。
- 停電: 長時間停電が続くと、スマホのバッテリーが切れてしまいます。充電器があっても、電気がなければ充電できません。
- 故障や紛失: 突然スマホが壊れてしまったり、うっかり落として紛失してしまったりすることもあります。
このように、いつものようにスマホが使えなくなる可能性はゼロではありません。だからこそ、他の連絡手段を知っておくことが、いざという時の安心に繋がります。
スマホ以外で連絡を取る方法を知っておきましょう
もしスマホが使えなくなってしまった時でも、状況によっては利用できる連絡手段があります。
- 固定電話: ご自宅に固定電話がある場合は、停電しても電話回線自体が生きていれば使えることがあります。ただし、最近の光回線などを使った電話サービスは、停電すると使えなくなる場合が多いので、ご自宅の電話の種類を確認しておくとよいでしょう。
- 公衆電話: 今は少なくなりましたが、駅やコンビニエンスストアの前などに設置されています。災害時には優先的に繋がる場合があります。公衆電話を使うためには10円玉や100円玉が必要ですので、少し小銭を用意しておくと安心です。お近くの公衆電話の場所を事前に調べておくのも良い備えです。
- 災害用伝言ダイヤル(171): 災害時に、声で安否情報を録音したり、再生したりできるNTTのサービスです。「171」に電話をかけ、音声案内に従って操作します。被災地の方だけでなく、被災地以外からも利用できます。使い方を事前に確認しておくと、いざという時に慌てずに済みます。
- 災害用伝言web171: パソコンやスマホ(インターネット環境があれば)から、文字で安否情報を登録したり確認したりできるNTTのサービスです。災害用伝言ダイヤル(171)と同様に利用できます。
- 家族との事前ルール: 連絡が取れない場合、どこに避難するか、どこで待ち合わせをするかなど、ご家族とあらかじめ話し合って決めておくことも大変重要です。決めたルールを紙に書いて、いつでも見られる場所に貼っておくと安心です。
今からできる連絡手段の備えリスト
「もしも」に備えて、今からできる簡単な準備を始めてみましょう。
1. 大切な電話番号を紙に書いておく
スマホのアドレス帳に頼りきりになっていませんか。もしスマホが使えなくなると、誰かの電話番号を調べることもできなくなります。
- ご家族(お子さん、お孫さんなど)の固定電話や携帯電話の番号
- ご親戚や特に連絡を取りたいご友人の電話番号
- 地域の役場や自治体の緊急連絡先
- かかりつけの病院や地域の診療所の電話番号
などを、紙のノートやメモ帳に書いておきましょう。これを非常持ち出し袋に入れるか、ご自宅のいつでも見られる場所に置いておくと安心です。
2. 公衆電話の場所と小銭を確認する
お近くの駅や郵便局、コンビニなどの公衆電話の場所を歩いて確認してみましょう。場所が分かったら、それも先ほどのノートにメモしておくと良いでしょう。
また、公衆電話を使うための10円玉や100円玉を、小袋に入れて準備しておきましょう。お財布とは別に、すぐに取り出せる場所に置いておくと良いかもしれません。
3. 災害用伝言ダイヤル(171)の使い方を知る
NTTのホームページなどで、災害用伝言ダイヤル(171)や災害用伝言web171の詳しい使い方を見ることができます。これらの使い方を印刷して、大切な電話番号リストと一緒に保管しておきましょう。
年に数回、災害用伝言ダイヤルやweb171の体験利用ができる日があります。実際に試してみると、いざという時に落ち着いて操作できるはずです。体験利用については、NTTのホームページなどで確認できます。
4. ご家族と連絡が取れない場合のルールを決める
ご家族と、もしもの時に連絡が取れなくなったらどうするか、具体的に話し合っておきましょう。
- 「大きな地震が起きたら、まずは自宅で安全を確保する」
- 「もし自宅にいられなくなったら、近くの指定避難所に行く」
- 「連絡が取れない状態が続いたら、〇〇さんの家に集まる」
など、簡単なルールを決めておくと、お互いの安否確認がしやすくなります。遠方にご家族がいらっしゃる場合は、お互いが無事だと分かったら、どこに連絡を入れるか(例:親戚の〇〇おばさんの家に連絡する)などを決めておくのも良い方法です。
5. 近所の方と日頃からあいさつをしておく
災害時など、困った時に一番頼りになるのは、もしかしたら身近な近所の方かもしれません。日頃からあいさつを交わしたり、顔見知りになっておくと、いざという時にお互いに声をかけ合ったり、助け合ったりしやすくなります。スマホが使えなくても、直接声をかけて安否を確認できるのは、大きな安心に繋がります。
まとめ
スマートフォンは非常に便利なツールですが、もしもの時にそれが使えなくなってしまう可能性も考えておくことが大切です。
固定電話、公衆電話、災害用伝言ダイヤルなど、スマホ以外の連絡手段を知っておくこと。そして、大切な人の電話番号を紙に書き出しておくこと、公衆電話の場所や小銭を用意しておくこと、家族とのルールを決めておくことなど、今からできる簡単な備えがたくさんあります。
こうした備えは、難しいことではありません。「これなら自分にもできる」と感じることから、一つずつ始めてみましょう。そうすることで、もしもの時の不安を少しでも減らし、ご自身や大切なご家族の安心に繋がるはずです。