わたしの備えブック

もしもの時のために 大切な書類を分かりやすく整理しましょう

Tags: 書類整理, 備え, 高齢者, 防災, 安心

なぜ大切な書類の整理が必要なのでしょう

私たちは、日々の生活の中でさまざまな「大切な書類」を持っています。例えば、通帳や印鑑証明、保険証、年金手帳、土地や建物の権利書、各種契約書などです。これらの書類は、普段はあまり目にしないかもしれませんが、もしもの災害で自宅から避難することになったり、急に体調を崩して入院が必要になったりした時、ご自身やご家族が必要とする大切な情報が詰まっています。

特に、ご家族が遠方に住んでいる場合、いざという時にどこに何があるか分からず、ご家族が困ってしまうかもしれません。大切な書類を整理しておけば、もしもの時にも慌てずに、必要な情報をすぐに見つけ出すことができます。これは、ご自身の安心にもつながりますし、ご家族への負担を減らすことにもなります。

難しく考える必要はありません。少しずつ、ご自身のペースで進めていきましょう。

どんな書類を整理すればよいのでしょう

まず、ご自宅にある大切な書類をリストアップしてみましょう。すべてを一度にやろうとせず、思いつくものから始めてみてください。以下のような書類が考えられます。

この他にも、ご自身にとって重要だと思われる書類があれば加えてください。

分かりやすく整理するための具体的な方法

書類を集めたら、次はいよいよ整理です。ご自身のやりやすい方法で進めましょう。

1. 書類を集める

まずは、家の中にある大切な書類を一つの場所に集めてみましょう。引き出しの中、タンスの上、本棚など、心当たりのある場所を探してみてください。

2. 分類する

集めた書類を種類ごとに分けます。例えば、「身分証明」「年金」「保険」「不動産」「連絡先」などの項目に分けてみましょう。不要な書類は、個人情報に注意して処分してください。

3. 分かりやすいファイルに入れる

分類した書類を、それぞれ分かりやすいようにファイルや袋に入れます。 * クリアファイル: 書類の種類ごとにクリアファイルに入れ、ファイルに直接種類を書き込むか、付箋などを貼ると分かりやすいです。 * ファイルボックス: 分類したクリアファイルや書類を、まとめてファイルボックスに入れます。ボックスに「大切な書類」などと書いておくと見つけやすいです。 * ファスナー付きの袋: 通帳や印鑑など、一緒に保管したいものをまとめて袋に入れるのも良い方法です。

ファイルやボックスの色を変えて、さらに分かりやすくするのも良いかもしれません。

4. 保管場所を決める

整理した大切な書類は、いざという時に持ち出しやすく、かつ安全な場所に保管することが重要です。 * 持ち出しやすい場所: 玄関の近くや寝室など、すぐに手が届く場所に置くのが良いでしょう。 * 安全な場所: 火災や水害から書類を守るため、金庫に入れる、高い場所に置くなどの工夫も考えられます。ただし、重い金庫は地震で倒れる可能性もあるため、固定するなどの対策も必要です。自治体から配布される防災マップ(ハザードマップ)を確認し、ご自宅で安全な場所を検討してみてください。

5. リストを作成する

整理した書類の「目録」や「リスト」を作っておくと、さらに分かりやすくなります。 例えば、「ファイルボックスに以下の書類が入っています」として、 * クリアファイル(緑): 身分証明(免許証、保険証...) * クリアファイル(青): 年金・預貯金(通帳、年金手帳...) * クリアファイル(赤): 保険(生命保険証券...) のように書き出しておきます。このリストを、整理した書類の一番上に入れておくと、何がどこにあるかすぐに確認できます。

遠方の家族と情報を共有するには

大切な書類の保管場所や、何がどこにあるかのリストを、あらかじめ遠方のご家族に伝えておくと、もしもの時にご家族が迅速に対応できます。 * リストのコピーをご家族に渡しておく。 * 保管場所をご家族に写真で知らせておく。 * もし可能であれば、一度一緒に書類を確認してもらう。

デジタル機器の操作が苦手でも、紙に書いて渡す、電話で伝えるなど、できる方法で情報を共有しておくことが、いざという時の安心につながります。

定期的に見直しましょう

一度書類を整理しても、時間が経つと新しい書類が増えたり、古い情報が不要になったりします。年に一度など、ご自身で時期を決めて、書類を見直す習慣をつけると良いでしょう。整理することで、ご自身の財産や契約内容を把握することにもつながります。

小さな一歩から始めましょう

大切な書類の整理は、すぐにすべてを完璧にする必要はありません。まずは、身分証明書や通帳など、一番重要だと思われるものから始めてみてください。一つずつ整理が進むたびに、きっと心が軽くなり、安心感が増していくはずです。

この記事が、ご自身の備えを進めるための一助となれば幸いです。