もしもの災害で自宅に住めなくなったら。一時的に親戚や知人のお家へ避難する時の備えリスト
自然災害は、いつどこで起こるか分かりません。大きな被害を受けると、ご自宅での生活が一時的に難しくなってしまうこともあります。
そのような時、地域の避難所だけでなく、ご家族や親戚、親しいご友人のご自宅にお世話になるという選択肢もあります。特に高齢の方にとっては、慣れない避難所での集団生活よりも、落ち着いた環境で過ごせる方が安心かもしれません。
しかし、急にお世話になることになった場合、相手の方にご迷惑をかけてしまわないか、ご自身の生活に必要なものが足りるかなど、不安を感じることもあるでしょう。
この記事では、もしもの災害でご自宅に住めなくなった場合に、一時的に親戚や知人のお家へ避難する際に、持って行くと安心できるものや、事前に考えておくと良いことについてご紹介します。
なぜ非常持ち出し袋とは別に備える必要があるのでしょうか
災害が起きた直後に、危険な場所からすぐに避難するために準備しておくのが「非常持ち出し袋」です。これは、避難所などに到着するまでの短い時間をしのぐための最低限のものをまとめたものです。
一方、ご自宅が大きな被害を受けてしまい、数日から数週間、あるいはそれ以上の期間、一時的に別の場所で生活しなければならなくなった場合、非常持ち出し袋だけでは生活を続けるのが難しくなります。親戚や知人のお家で過ごさせていただく場合も同様です。
そのため、緊急時に自宅から持ち出す「非常持ち出し袋」とは別に、「一時的な避難先での生活」を想定した備えをしておくことが大切です。
一時的な避難先へ持って行くと安心なものリスト
親戚や知人のお家へ一時的に避難する場合に備えて、あらかじめまとめておくと良いものをリストにしました。すぐに持ち出せるよう、リュックサックやボストンバッグなどにひとまとめにしておきましょう。
-
必ず持って行きたいもの
- 常備薬とお薬手帳: 数日分〜1週間分程度の常備薬は必ず用意しておきましょう。お薬手帳も一緒に持っていくと、もしもの時に医療関係者に状況を正確に伝えられます。
- 健康保険証、運転免許証など身分を証明できるもの: コピーではなく、原本を持っていくのが安心です。
- 現金: 電子マネーやクレジットカードが使えない場合に備え、当面の生活に必要な現金を用意しておきましょう。小銭もあると便利です。
- 通帳、印鑑: 念のため、銀行の通帳や印鑑もあると安心です。
- スマートフォンと充電器: 連絡や情報収集の必需品です。モバイルバッテリーもあると、さらに安心です。
- 着替え: 下着、靴下を含め、最低2〜3日分の着替えがあると良いでしょう。季節に合わせたものを選んでください。
- タオル: バスタオルとフェイスタオルを数枚。
- 洗面用具: 歯ブラシ、歯磨き粉、石鹸、シャンプー、リンスなど、普段使い慣れたものを用意しましょう。
- ウェットティッシュ、除菌シート: 水が使えない場合や、衛生を保つために役立ちます。
-
あるとさらに便利なもの
- 眼鏡、補聴器とその予備、電池: 視力や聴力に不安がある方は、予備や電池を忘れないようにしましょう。入れ歯を使用している場合は、洗浄剤やケースも必要です。
- 常備食、好きなお菓子: 食べ慣れたものがあると、気持ちが落ち着きます。アレルギーがある場合は、その情報も控えておきましょう。
- 使い捨てカイロ(冬)、小型扇風機(夏): 体温調節のためのものがあると、快適に過ごせます。
- スリッパ: 避難先のご自宅で借りることもできますが、ご自身のものがあると気兼ねなく使えます。
- 懐中電灯、小型ラジオと予備電池: スマートフォンが使えない場合の情報収集や明かりとして役立ちます。
- お気に入りの本や雑誌、小さな趣味の道具: 気分転換に役立ちます。
- 筆記用具とメモ帳: 連絡先や必要な情報を書き留めるのに使えます。
このリストはあくまで一例です。ご自身の健康状態や普段の生活に合わせて、必要なものを加えてみてください。
事前に親戚や知人と話し合っておくべきこと
もしもの時に慌てないよう、できれば災害が起きる前に、お世話になる可能性がある親戚や知人の方と、以下の点について話し合っておくと良いでしょう。
- 一時的な避難先として受け入れてもらえるか: 災害の種類や規模によっては、相手の方のご自宅も被災する可能性もあります。無理のない範囲で、受け入れが可能かどうか、あらかじめ意向を確認しておきましょう。
- どのように連絡を取り合うか: 災害発生後、電話やメッセージが繋がりにくくなることもあります。災害用伝言ダイヤル(171)や災害用伝言板(web171)の利用方法、LINEなどのメッセージアプリでの安否確認の方法など、複数の連絡手段とルールを決めておくと安心です。
- 集合場所や合流方法: もし直接会って避難先へ向かう場合、どこで合流するか、どのように移動するかなどを話し合っておくとスムーズです。
- ご自身の健康状態やアレルギー: 持病やアレルギー、食事の制限など、伝えておいた方が良い情報を事前に伝えておきましょう。
これらの話し合いは、相手の方との信頼関係を深め、もしもの時の不安を減らすことにも繋がります。
まとめ:できることから準備を始めましょう
災害でご自宅での生活が難しくなることは、想像するだけでも不安かもしれません。しかし、事前にしっかりと準備をしておくことで、その不安を大きく減らすことができます。
一時的に親戚や知人のお家にお世話になる場合の備えは、非常持ち出し袋の準備と同じくらい大切です。まずは、この記事でご紹介したリストを参考に、ご自身にとって何が必要か考えてみましょう。そして、できることから少しずつ準備を始めてみてください。
ご自身の安心は、ご家族の安心にも繋がります。備えあれば憂いなし。焦らず、一つずつ、着実に進めていきましょう。