高齢者向け 地域の防災情報とハザードマップのやさしい見方
地域の防災情報とハザードマップを知ることの大切さ
自然災害はいつどこで起こるか予測できません。しかし、自分が住んでいる地域には、どのような災害が起こりやすいのか、そして、万が一の時にどこへ避難すれば良いのかといった情報は、あらかじめ知ることができます。
これらの地域の情報は、いざという時に落ち着いて行動するために、そして大切な家族を守るために非常に役立ちます。特に、お住まいの場所の危険性を示した「ハザードマップ」は、ご自身の備えを考える上でとても大切です。
ここでは、地域の防災情報を集める方法と、ハザードマップのやさしい見方をご紹介します。デジタルが苦手な方でも大丈夫なように、分かりやすく丁寧にお伝えします。
地域の防災情報を集める方法
地域の防災情報は、さまざまな場所で手に入れることができます。ご自身のやりやすい方法で情報を集めてみましょう。
1. 市区町村の役場やウェブサイト
お住まいの市区町村の役場は、地域の防災情報の一番の情報源です。
- 役場に問い合わせる: 直接、防災を担当している課に電話で問い合わせてみるのが確実です。「地域のハザードマップが欲しいのですが」「避難場所について教えてください」と伝えてみましょう。紙の資料をもらえる場合が多いです。
- ウェブサイトを見る: もしインターネットが使える場合は、市区町村の公式ウェブサイトを見てみましょう。「防災」「災害」「ハザードマップ」「避難場所」といった言葉で検索すると、関連情報が見つかることがあります。ウェブサイトには最新の情報が載っていることが多いですが、文字が小さかったり、探しにくかったりすることもあります。
2. 広報誌や回覧板
地域によっては、広報誌や回覧板で防災情報が配られることがあります。普段から目を通す習慣をつけましょう。
3. 公民館や地域の集まり
公民館や自治会などで、地域の防災に関する説明会が開かれることがあります。地域の担当者から直接話を聞ける良い機会です。
4. テレビやラジオ
テレビやラジオのニュースや天気予報でも、災害に関する情報や注意喚起が行われます。特に大雨や台風が近づいている時などは、こまめに確認しましょう。
ハザードマップのやさしい見方
ハザードマップとは、自然災害が発生した際に、どのような場所が危険になる可能性があるかを示した地図のことです。お住まいの地域で想定される災害の種類(洪水、土砂災害、地震による揺れやすさなど)ごとに作られています。
ハザードマップを手に入れたら、以下の点に注意して見てみましょう。
1. どの種類のハザードマップか確認する
お住まいの地域によって、必要なハザードマップの種類が異なります。川の近くなら洪水のハザードマップ、山の近くなら土砂災害のハザードマップなどが重要になります。複数のハザードマップがある場合は、それぞれ確認してみましょう。
2. 自宅や家族の居場所を探す
地図の中から、ご自宅や、よく行く場所(買い物に行く場所、友人の家など)を探しましょう。
3. 色や記号の意味を理解する
ハザードマップには、色や記号で危険な場所が示されています。地図の端などに、それぞれの色や記号が何を表しているかの説明(凡例と言います)が必ず載っています。
- 洪水ハザードマップの場合: 川が氾濫したときに水につかる深さが、色分けで示されています。「この色の場所はこれくらいの深さになる可能性がある」というように、凡例を見ながら自宅の色を確認してみましょう。
- 土砂災害ハザードマップの場合: 土砂崩れやがけ崩れの危険がある場所が、色や線の囲みで示されています。「土砂災害警戒区域」「土砂災害特別警戒区域」といった名前で示されていることが多いです。
- 地震ハザードマップの場合: 地震が発生した際の揺れやすさや、建物の倒壊危険度などが示されていることがあります。
凡例を見ても分かりにくい場合は、市区町村の役場に問い合わせてみましょう。
4. 避難場所と避難経路を確認する
ハザードマップには、災害時に安全に避難できる場所(指定緊急避難場所など)も示されています。
- 避難場所の確認: 自宅から一番近くて安全な避難場所はどこかを確認しましょう。
- 避難経路の確認: 自宅から避難場所まで、どのような道を通れば安全かを確認します。危険な場所(例えば、洪水で浸水が予想される場所など)を通らずに行ける道を選びましょう。複数の避難経路を知っておくと、より安心です。
知った情報を備えに活かすには
ハザードマップで自分の住む場所のリスクや避難場所が分かったら、それを具体的な備えに繋げることが大切です。
- 家族と共有する: 離れて暮らす家族にも、ご自宅のハザードマップで分かった情報や、決めた避難場所・避難経路を伝えておきましょう。いざという時の安否確認や合流計画に役立ちます。
- 実際に避難場所まで歩いてみる: 天気の良い日に、決めた避難経路を通って避難場所まで実際に歩いてみましょう。どのくらいの時間がかかるか、途中に危険な場所はないかなどを確認できます。
- 避難に必要なものを準備する: 自宅が危険な場所にある場合や、自宅での避難が難しい場合は、避難所に持って行くもの(非常持ち出し袋)の準備を進めましょう。
- 自宅での対策を考える: 自宅が比較的安全な場所でも、停電や断水に備えた水や食料の備蓄、家具の固定などの対策は引き続き重要です。
まとめ
地域の防災情報やハザードマップを知ることは、自分の身と大切な家族を守るための第一歩です。最初は少し難しく感じるかもしれませんが、お住まいの役場に問い合わせたり、地域の広報誌を見たりすることから始めてみましょう。
ご自身の住む場所のリスクを正しく理解し、事前に備えておくことで、いざという時の不安を減らし、落ち着いて行動できるようになります。できることから少しずつ、備えを進めていきましょう。