もしもの冬の停電でも安心 高齢者のための暖かく過ごす備えリスト
寒い冬に停電が起きたら、どうすれば安心できるでしょうか
冬は寒さが厳しくなる季節です。もしも雪や強風、地震などで電気の供給が止まる「停電」が起きた場合、暖房器具が使えなくなり、お部屋の中が急に冷え込んでしまうことが考えられます。
特に高齢者の方にとって、急な寒さは体調を崩す原因にもなりかねません。あらかじめ少しの備えをしておくだけで、もしもの時も慌てずに、暖かく安全に過ごすことができます。
この記事では、冬の停電や低温に備えて、ご自宅でできる準備や、停電中に暖かく過ごすための具体的な方法をご紹介します。
なぜ冬の停電・低温に備えることが大切なのでしょうか
冬の厳しい寒さの中で停電が長く続くと、お部屋の温度がどんどん下がってしまいます。暖房がない状態が続くと、体の体温も下がりやすくなり、風邪をひいたり、体に負担がかかったりする心配があります。
また、急な温度変化は「ヒートショック」の原因にもなりえます。お風呂場や脱衣所だけでなく、暖房が止まった部屋間の移動などでも注意が必要です。
こうした危険からご自身を守り、家族に心配をかけないためにも、冬ならではの備えを知っておくことが大切です。
事前の準備:暖かく過ごすための「備えリスト」
もしもの冬の停電に備えて、あらかじめ準備しておくと良いものをリストにまとめました。ご自身の体力やご自宅の状況に合わせて、できる範囲で準備を進めてみましょう。
1. 体を直接温めるもの
- 毛布やブランケット: 電気を使わずに体を温める基本です。多めに用意しておきましょう。
- 重ね着できる衣類: 厚手のセーターだけでなく、薄手のものを重ね着する方が保温効果が高まります。下着、靴下、レッグウォーマーなども忘れずに。
- カイロ: 貼るタイプと貼らないタイプを用意しておくと便利です。
- 湯たんぽ: 電気がなくても、お湯があれば体を温められます。(※やけどに注意して使用してください。)
- 防寒用の小物: 帽子、マフラー、手袋なども、屋内で役立ちます。体の熱は頭や首、手足から逃げやすいと言われています。
2. 部屋の暖かさを保つ工夫
- 窓の断熱: 厚手のカーテンを閉める、窓に断熱シート(ホームセンターなどで購入できます)を貼るなどで、冷たい外気が入るのを防ぎ、部屋の暖かい空気が逃げるのを抑えられます。
- 隙間を塞ぐ: ドアや窓の隙間から冷たい風が入ってこないか確認し、隙間テープなどで塞ぐことも有効です。
3. 電源を使わない暖房器具(注意が必要)
- 石油ストーブやガスストーブ: 電源が不要なものもありますが、使用する際は火災や一酸化炭素中毒に十分な注意が必要です。必ず換気をしながら使用し、寝ている間は使用しないなど、安全対策をしっかりと行ってください。ご自身の管理が難しい場合は、無理に使用せず他の方法で暖を取りましょう。
4. 温かい飲み物や食事
- 保温ポット・水筒: お湯を沸かしておき、保温ポットに入れておけば、温かい飲み物をすぐに飲めます。
- カセットコンロとカセットボンベ: 電気が止まってもお湯を沸かしたり、簡単な調理をしたりできます。(※使用時は必ず換気し、火元に注意してください。)ボンベの備蓄も忘れずに。
- 温めなくても食べられる非常食: カンパンやレトルト食品など、そのままでも食べられるものを備蓄しておきましょう。可能であれば、温められるものがあると心強いです。
停電中に暖かく過ごすための「行動リスト」
もし実際に冬の停電が起きてしまったら、次のような行動を試みましょう。
- とにかく重ね着をする: 持っている衣類を最大限に活用し、体を冷やさないようにします。
- 暖房器具の周囲に集まる(石油ストーブなどを使用する場合): 安全に十分配慮しながら、暖房効果の高い場所に家族などと一緒に集まることで、体感温度が上がります。ただし、換気は絶対に行ってください。
- 温かい飲み物を飲む: 体の中から温まります。保温ポットのお湯を活用しましょう。
- 軽い運動をする: 足踏みなど、体に負担にならない程度の軽い運動は、血行を良くし体温を上げるのに役立ちます。ただし、無理は禁物です。
- 断熱を徹底する: カーテンを閉め、窓際から離れて過ごしましょう。
- 体を拭くときは部分的に: お風呂に入れない場合は、体を全て一度に拭くのではなく、部分的に拭くなどして、急激に体を冷やさないようにします。
ご自身の体調管理も忘れずに
寒い環境では、知らず知らずのうちに体力が奪われがちです。
- 水分補給: 寒くても、乾燥などでのどは渇きます。意識して水分を摂りましょう。できれば温かい飲み物が良いです。
- 体操などで体を動かす: 座りっぱなしにならず、定期的に手足などを動かして血行を保ちましょう。
- 寒さを我慢しない: 我慢は禁物です。重ね着や毛布などをうまく使って、快適な体温を保つように心がけてください。
家族や地域との連携も大切です
もしもの時は、一人で抱え込まず、周りの助けを求めることも大切です。
- 家族との連絡方法を確認: 停電時でも使える連絡手段(災害用伝言ダイヤルなど)や、事前に決めておいた連絡方法で、家族と安否確認をしましょう。
- 近所の方との声かけ: 普段から近所の方とあいさつを交わしておくと、いざという時に助け合えることがあります。無理のない範囲で、地域のつながりを大切にしましょう。
まとめ:備えがあれば、冬も安心です
冬の停電や厳しい寒さへの備えは、ご自身の安心につながります。一度に全てを準備するのは大変かもしれません。まずは毛布やカイロ、温かい飲み物を用意するなど、できることから始めてみましょう。
このリストを参考に、ご自身のペースで冬の備えを進めていただき、寒い季節も安心して過ごせるように願っております。